大学生の人気アルバイトとして塾講師があると思います。大学1年生でも時給1500円とかで、すごいいい感じに思えますが、絶対やめたほうがいいです。給料に反映されない時間が多すぎるからです。
60分の授業で1500円みたいな感じで、コマ数で計算されます。つまり、実際に勤務先にいる時間に対して報酬が与えられるわけではないのです。当然、生徒からすると先生という立場ですので、いい加減なことは教えられません。十分な予習が必要なのです。予習には最低でも1時間はかかります。授業が終わった後もすぐ帰れず、日誌を書かされるようなところも多々あります。
交通費が出たとしても、通勤時間は給料に反映されないので、例えば1日2コマ授業を持つとしても、準備時間を含めて4時間くらい働いて3000円にしかなりません。結局、時給は1000円を切ってしまうのです。これだったら、接客のバイトをしたほうが割に合うわけです。大学生なんかは、やりがい搾取でこういう形態の塾講師をしている人が多いのではないでしょうか。生徒には、恐ろしい授業料を踏んだ食って、先生は薄給、結局中抜きで会社がほとんど回収している構造です。
僕の時代はそれでも、教えるのが好きで塾講師やっている人が多かったし、僕自身もサブ的なバイトとして複数の学習塾を経験しました。人に教えることによって成長できた面は多々あるので、経験としてよかったと思っています。
その一方、一番割に合ったのは、全く同じ授業を複数のクラスにするタイプの授業です。ひとつの授業の予習を3時間くらいかけてやって、5つのクラスに連続でやる予備校の仕事は、かなりコスパがよかったです。日誌もなく、出勤して授業やって、終わったら帰る。6時間出勤で、3万円くらい稼げました。これを月に10回くらいやってた時期があったのですが、その時は学生でありながら、普通のサラリーマンくらいの収入がありました。
ただ、この仕事に就くまでは、実績やコネを作ったり、たまたま良い人に紹介してもらったり、本当にラッキーでした。
最近は、対面授業が低調で、オンラインが普及していますよね。教育業界は新しいビジネスステージに来ていると言えると思います。他方で、対面型や個別指導のような実際物理的に近くに先生がいるという教育形態は、やはり先生と生徒の相互に独特の緊張感があり、また学生間の競争意識も生まれやすく、これらの側面も無視できないでしょう。